事例紹介

迎える大転換期 関わるすべての人に幸せを届けたい

提供:ヤマトカンキョウ株式会社

佐賀県では、県内企業に対するDX の取り組みの一環として、DX アクセラレータとして伴走する ことで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、最終的には、企業自らが 自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。

DXを進める理由について

DXアクセラレータ

まず御社の概要について教えてください。

西嶋室長

佐賀市大和町を中心に、浄化槽の点検や清掃などの維持管理、し尿収集・運搬、下水道施設の運転管理、ご自宅や店舗の水回りトラブル解決などの事業を手掛けております。来年ちょうど創業60年を迎えます。

大和町を中心に事業を展開

DXアクセラレータ

複数の事業に取り組まれているからこそのお困りごとはありますか。

西嶋室長

時流にあわせて業態を変化させていったので、メインでやってきた業務から離れたイレギュラーな業務があります。そのため、従来の業務と新しい業務において、仕事のやり方や必要となるスキルが異なっていることが問題です。
また、専門性に特化した業務がほとんどであるため、属人性が高く特定の人にしかできない特殊な仕事があります。そのため、スキルをどのように次世代につないでいくかが課題であると認識しています。

DXアクセラレータ

スキルを継承していくことは事業を存続していくために必要ですからね。
佐賀県のDX伴走支援にはなぜ申し込まれたのですか。

西嶋室長

以前から社長を中心に、自分たちなりにデジタル化に取り組んでいました。基幹システムを導入することで、紙を削減し、業務効率化を進めてきたことがその一例です。しかし、自社がどれだけデジタル化に取り組めているのか、客観的に把握できていませんでした。そこを明確に知る必要があると思ったことが、伴走支援に申し込んだ理由の1つです。加えて、アナログツールのデジタル化だけでなく、将来を見据えた課題の整理やITツール導入などを実施していきたかったことも理由です。

DX伴走支援の内容について

DXアクセラレータ

今回、DX伴走支援によって実現したかったことは何ですか。

 

西嶋室長

経営者のビジョンの浸透と、アナログツールのデジタル化で止まってしまっている現状の変革です。
経営者のビジョンは、DXに限らずなかなか浸透しません。社員にどれだけイメージを持ってもらえるか、そのためにどれだけ伝えるか、どう伝えるのが正解なのか、自分たちの中にその手がかりを手に入れたかったのです。
また、アナログツールのデジタル化の先にある、会社の在り方や働き方の変革などがDXであるのに対し、現状はアナログツールのデジタル化で止まってしまっていました。そこへの課題感はいまだにあり、これからも課題として向き合っていく必要があると思っています。

DXアクセラレータ

DXとはアナログの単なるデジタル化ではないと言われましたが、その先には売上の向上や、地域に根差した企業という立ち位置の確立などを見据えているのですか。

西嶋室長

結果的にそうなるのが一番ですが、従業員含めたすべての人が幸福になることが私の考えるDXです。ただ売上UPや地域貢献するだけでなく、DXによって仕事がやりやすくなった、自分の子供や親をデジタルの面でサポートできるようになったなど、様々なことを含めて全体が幸せになることがDXの最終ゴールと思っています。

DXアクセラレータ

関係者含めた全員を幸せにすることを目的としてDXを推進していくにあたり、まず取り組まれたことは何ですか。

西嶋室長

まずは管理職中心に自分たちの業務について、毎日行っている業務から、週1、月1、年1単位で行っている業務まで、業務の棚卸・可視化を実施しました。

業務の様子
DXアクセラレータ

自分たちの手で業務を棚卸することで実感した効果や苦労した点について教えてください。

西嶋室長

なぜこの業務が必要か、なぜこのタイミングでこの業務フローになっているのか、を理解するのが大変でした。しかし、こんな業務しているのか、部署の連携でこんなことがあるのかと、業務を取りまとめた私自身も深掘りできていなかったことを明確にできました。苦労というよりも、業務改善や部署間の連携を今後考える上での良い財産が手に入ったと考えています。

DXアクセラレータ

自社の現状を客観的に見ることで、新たな発見があったということですね。
DXの取組テーマとしてはどのような軸で設定しましたか。

西嶋室長

①業務効率化と顧客満足度向上・接点増加(電話以外の顧客接点を構築すること)
②人材情報の見える化と育成の体系化 
2点を軸に取り組みました。
これらを通して、次の世代にバトンタッチしても高い水準で業務を行える未来をつくっていきたいです。

DXアクセラレータ

ヤマトカンキョウさまはお話をしていて、人を大事にしている点に特徴があると感じました。自分たちの従業員や次世代の会社を担う方々と、お客様のどちらも大切にしながら、これからも業務に取り組まれるのですね。
DXへの取組みの中で苦労や工夫したことはありますか。

西嶋室長

DXを通して未来を見据えたという話をしてきましたが、ビジョンが現実的でないのではとネガティブになることがありました。ただ、伴走支援を受けたことでビジョンを具現化する方法が明確に理解できて、経営層は自信になりました。

DXアクセラレータ

なるほど。DXへの取組みにおいて、社内の雰囲気・業務の変化はありましたか。

西嶋室長

デジタルに対する抵抗感が以前より低くなったと思います。もちろん急に無くなったわけではなく、時間を追うごとに小さくなっていきました。こういうことも出来るのでは、こうしたらもっと便利になるのではという声も聞こえるようになりました。今後も業務改善が方々で進むのではと期待しています。

DX実現に向けた打ち合わせの様子
DXアクセラレータ

自分たちでもっとこうしたら良いのではと思うことが増えてきたのですね。

西嶋室長

恐らく、今までも内に秘めていたけれども、誰にその思いを言えばいいのか分からなかったのだと思います。伴走支援に取り組んだことで、すぐ改善出来るのか、あるいは時間がかかるのか等の判断材料をつくれたので、私が受け皿となり、議論がしやすくなりました。

DXアクセラレータ

素晴らしい変化だと思います。ここまで伴走支援を受けてみた感想を教えてください。

西嶋室長

当初は一人で進めようと考えていましたが、今になって到底一人では出来なかったなと思いました。協力していただいたすべての方に感謝したいです。
これからトランスフォーメーションしていくことを考えると、非常にワクワクしています。地域の方々には、これからのヤマトカンキョウにぜひ期待していただきたいです。

DXアクセラレータ

多くの方を巻き込むことが出来たのは良かったですね。私たちもサポートしてきて良かったと思いました。

会社の将来構想について

DXアクセラレータ

最後に、DXへの取組みを踏まえて、今後の方向性や将来の展望を教えてください。

西嶋室長

創業60年を前に、大きな転換期を迎えており、弊社は今から大きなトランスフォーメーションをしようとしています。
あわせて、街のインフラを守る事業者として、長年の感謝を込めて、地域の方々に広く恩返しをしたいと考えています。佐賀県にはアナログな会社が多く、次世代を担う方たちが活躍できる場がない、あるいはそのギャップから人材が都会に流出しているという背景があるのではと考えています。その点はDX化の途上である私たちも危惧しているところです。
地域貢献のことを考えると、今回習得した仕組みをうまく活用して、ノウハウや経験を県内の企業にアドバイスできる会社でありたいと思います。

(企業概要)
企業名 :ヤマトカンキョウ株式会社
住所  :〒840-0201 佐賀県佐賀市大和町大字尼寺926番地
事業内容:浄化槽の保守管理、下水道・排水処理施設の運転管理、し尿・浄化 槽の汚泥の収集運搬、上下水道施設の清掃、水周り修繕サービス

R5年度アクセラレータ事業受託会社:西日本電信電話株式会社

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