製造業の老舗がDX!~取り組みの一歩に迫る~
提供:有限会社井上製麺
佐賀県では、県内企業に対するDX の取り組みの一環として、 DX アクセラレータとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、 最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、DX アクセラレータが有限会社井上製麺と行ってきた取り組みについて、 代表取締役社長である井上様にインタビューしました。
DX を進める理由について
- DX アクセラレータ
御社の概要を教えてください。
- 井上社長
麺の製造と販売を行っています。また、百年庵の飲食事業も行っています。百年庵では、素材と味ににとことんこだわった、上品で素朴な神埼ならではのお料理を提供しています。
- DX アクセラレータ
井上社長が考える経営に関する現状認識と課題を教えていただけますか。
- 井上社長
社内に蓄積されている発注書や製造日報などは紙帳票で管理しているため、データ化がされていません。生産、在庫、販売のデータをシステムで管理されていないため、計画生産ができていないのが現状です。
- DX アクセラレータ
データ化されていない現状を踏まえ、DX 伴走支援に申し込まれたのでしょうか。
- 井上社長
そうです。デジタル化による業務の自動化で人不足には対応できます。販売データの分析もずっとやりたいと思っていました。そこで、佐賀県のスマート化センターへDX の相談に行きました。そのとき、DX アクセラレータ事業を知り、申し込みました。
- DX アクセラレータ
以前からDX に取り組みたいという気持ちが強かったわけですね。
- 井上社長
はい。デジタル化していろんなことができるので、とにかく早く取り組みたいと思っていました。
- DX アクセラレータ
DX を推進するには社内のIT人材の存在も不可欠ですが、ITに明るい人材はいらっしゃいますか。
- 井上社長
残念ながら社内にはおりません。ただ、今の時代、社員にスマホやタブレットを持たせて慣れてくれば、業務の効率化は出来るようになると思います。色んなツールを導入して一歩踏み出さないと他に遅れをとってしまいます。
DX 伴走支援の内容について
- DX アクセラレータ
ここまでのDX 伴走支援の流れと取組み内容を教えてください。
- 井上社長
まずは業務フローの整理およびヒアリングを行いました。このDX 伴走支援では、販売・購買・生産・在庫を管理できるシステムを構築し、このシステムと社内に蓄積している発注書や製造日報などのデータを連携させようとしています。そして、それらのデータを使って製造販売計画を行う予定です。そのため、今はこのシステム連携に向けた土台作りとして、製造現場の紙帳票の電子化に向けたITツール選定を行っています。
- DX アクセラレータ
まずは様々な紙帳票を電子化して、その上でそれらのデータを利用しよう、ということですね。IT ツールの選定はスムーズに進んでいますか。
- 井上社長
はい。DX アクセラレータに、手書きされた文字をデータ化するAI-OCR(Optical Character Recognition)のデモを実施いただきました。デモの中では、実際の帳票をスマホで撮影・画像変換し、人工知能を持った画像認識ツールで手書き文字がデータへ変換されていく過程の説明とそのITツールの初期設定のデモを拝見しました。
- DX アクセラレータ
DX 伴走支援の中のIT ツール選定で、心がけていることはありますか?
- 井上社長
IT ツール選定では、システム単体で運用せずに、各システムが連携できることを前提にしています。また、データ化されたものがテキスト検索できるかも重要です。あとは、使い勝手も大切なので、社員のレベルで出来そうなものを自らデモ画面を見て、説明を受けるように心がけています。
- DX アクセラレータ
実際の運用で利用する社員の方のことを考えながらツールを選定されているのですね。DX伴走支援を振り返ってみてどうでしょうか?
- 井上社長
自分の頭の中で整理されていない業務フローをきれいにまとめて頂けました。DX に向けて具体的にどういうことをやっていくかが分かりやすくなり、非常に助かっています。
会社の将来構想について
- DX アクセラレータ
DX の取組みを踏まえて、どのような企業経営を考えているか、教えてください。
- 井上社長
社内の蓄積データと新しいシステムとの連携で、これまでの受注生産から計画生産へシフトしたいと考えています。そして、生産性の向上、業務の効率化、販売データの分析によって意思決定のスピードを高め、数値ベースでのマネジメント実現と売上向上の施策やプロモーションの展開などを目指します。
- DX アクセラレータ
社長の方向性にDX アクセラレータのメンバーはとても共感しています。今後ともご一緒にプロジェクトを進めてまいりましょう。本日はありがとうございました。
R4年度アクセラレータ事業受託会社:ビジネスソリューションズ株式会社 NTT