事例紹介

食肉販売企業のバックオフィスDX戦略とは?!

提供:石丸食肉産業株式会社

佐賀県では、県内企業に対するDXの取り組みの一環として、 DXアクセラレータとして伴走することで、経営課題の整理やその解決への取組の企画立案を支援しており、 最終的には、企業自らが自走して DX を進めることができるようになることを目指しています。 今回は、DX アクセラレータが石丸食肉産業株式会社と行ってきた取り組みについて、 古賀様にインタビューしました。

DXを進める理由について

DX アクセラレータ

まず、御社の概要について教えてください。

古賀様

佐賀牛をはじめとする食肉を販売する会社です。みやき町での販売店からスタートして、現在は、佐賀市内等の店舗での対面販売やみやき町のミートセンター等から通信販売を展開しています。拠点は、佐賀店(販売・加工)、上峰店(販売・加工)、ミートセンター(加工)、事務所の合計 4拠点です。総人員は 30 名程度です。

DX アクセラレータ

地域に根づいた展開をされているのですね。続いて、古賀様の業務内容をお教えください。

古賀様

私も含めて3 名でバックオフィス業務を担っています。仕入伝票や販売伝票の整理や、卸業務のスケジュール管理等が主な業務です。

DX アクセラレータ

食肉販売業でのバックオフィス業務を担ってらっしゃる古賀様からみて、ご自身の業務や会社全体の業務での課題感はどのような点でしょうか。

古賀様

自身の課題として、自分しか知らない業務があり、出社できなくなった場合の業務の滞りを心配しています。年齢的に、突発的に何があってもしょうがないので心配です。また、会社全体としては、社長や経営層が目指している業容拡大をスムーズに実現できるかが課題だと思っています。

みやき町事務所の様子
みやき町事務所の様子
DX アクセラレータ

なるほど。今回のDX伴走支援を活用しようと思われた理由はそのあたりにあるのですね。

古賀様

そうです。バックオフィス業務のDX化で業務の見える化を推進し、私の業務で属人化している部分を他のメンバーも担えるようにしたいです。また、業容を拡大していくためには、業務効率化を図ることによる利益率を向上させる事や経営判断のためのデータをスピーディに提供できる体制が必要だと思います。

DX アクセラレータ

DX伴走支援がスタートする前も、DXに関することは取り組まれていましたか。

古賀様

いいえ。DXの単語は聞いたことがある、というレベルでした。

DX アクセラレータ

では、なぜ今回の取組みのきっかけが生まれたのでしょうか?

古賀様

DXアクセラレータのご担当の方から、弊社の常務宛てにご提案を頂き、先ほど述べたような弊社の課題を解決するためには必要なことだと説明を受けて思ったからです。良いきっかけをいただけました。

DX アクセラレータ

今回の取組みを埋没させないで、具体的な取り組みとしてスタートされたことは素晴らしいですね。

DX伴走支援の内容について

DX アクセラレータ

今回のDX伴走支援では、どのような取り組みをされていますか。

古賀様

究極の目的は、先ほど述べた全社的な課題である「業容拡大」ですが、まずは「バックオフィス業務の改善」からスタートすることにしました。具体的には、業務のフローチャート作成から着手しました。

DX アクセラレータ

フローチャートは今まで無かったのですね

古賀様

そうです。フローチャートもDXアクセラレータが、丁寧に聞き取りをして頂き、第三者的な立場からとても分かりやすいものを一緒に創りこんでいただきました。このおかげで、どこの業務からDX化を図っていくべきか、が良く理解できました。

業務フローの整理
業務フローの整理
DX アクセラレータ

なるほど。まず業務の可視化を行ったのですね。では、例えばどのようなDXを検討されていますか?

古賀様

バックオフィス業務については、事務員の方や店舗ごとに異なる業務フローの統一とRPA・AI-OCR の導入によって、属人化の解消や効率化を進めていこうと考えています。

DX アクセラレータ

まずはバックオフィス業務の改善から、というわけですね。他にも検討されたことはございますか?

古賀様

牛肉については、農林水産省の監査が実施され、個体識別番号を肉の塊ごとに正確に記録しておく必要があります。いわゆるトレーサビリティというものです。この記録だけでもとても時間を使う業務になっており、販売店、加工工場、事務所が連携して業務を行う販売店・加工工場・事務所が記録データを共有できる仕組みが構築できれば、とても効率化に寄与できます。

DX アクセラレータ

個体識別番号が、肉の部位ごとにまで把握する必要があるのですね。しかも、各拠点が連携する仕組みを検討するだけでも苦労されたのではないでしょうか?

古賀様

はい。でも、DXアクセラレータが何度も足を運んでくださり、メール等でやりとりしてもらいながら、DXの取り組み方に対する理解が進んできました。

DX アクセラレータ

ここまでのプロセスを振り返ってみて如何でしょうか?

古賀様

会社全体の課題を解決するゴールがあるとはいえ、バックオフィス機能の効率化は後回しになる事が多いです。しかし、今回の取組みで業務フロー等が資料として出来上がり、対応策のツールも見えてきているので、社長含めた経営陣に理解を求めることのハードルがぐっと下がりました。

DX アクセラレータ

社長さまの反応はいかがでしたか。

古賀様

はい。コストがかかったとしても、バックオフィス機能のDX化は、今やらなければなないとの認識を社長や経営陣の皆さんが気づいてくださり、GOサインをいただけたことはとても嬉しいです。IT導入補助金等を活用しながら、前に進めていきたいと考えています。

会社の将来構想について

DX アクセラレータ

今後、御社はどのような方向を目指されていくのでしょうか?

古賀様

美味しくて安全な食肉を、これまでの販売店に加え、直接お客様との接点が持てる店舗を増やすことや、ふるさと納税や通販を通じて、遠方のお客様との接点を持てる仕組みを増やすことを目指しています。そのためには、バックオフィス機能のDXを強力に進めていく必要性があると思っています。

DX アクセラレータ

本日は貴重なお時間、ありがとうございました。

R4年度アクセラレータ事業受託会社:NTTビジネスソリューションズ株式会社 

事例紹介(PDF)はこちら

事例紹介一覧へ戻る