DXの鍵!~時間効率化を実現する成功企業の秘訣~
提供:サガ・コア&カッター工業株式会社
産休をきっかけに4年前から事務作業の効率化を進め、働きやすい環境の整備をおこなってきた。社内業務だけでなく、現場社員の負担も減らし、社長が描いた「10年計画」の実現に向けて全社員が進んでいけるよう、業務全体の可視化と仕組み作りを目指した。
重松取締役
なぜDXに取り組んだのか
——本事業に参加した経緯
事務所の中身の改革に最初取り組んだんですよね。現場側でもDXができないかなと思って、建設業だし、作業員が在宅でというのは無理なんですけど。困っていることを解消できるよう取り組めないかなと思って、それがきっかけですね。
——DXの目的とは?
10年計画を立ててあったんですよね。一年一年追うごとに、それが実現できてきて。例えば、入札案件って、その書類作りをどうするんだろうなとか、全く想像もつかなかったのが、毎年こう経営審査を受け始めて、みんなそこに向かって、もうちょっと点数超えようとか、一つになっていった。私も点数を上げてもっと多くの入札に挑戦できるようにする為に、二級の経理事務士を勉強してました。ただ、日々の事務作業も忙しいところもあり、自分自身が精いっぱいで、そこに向かっていけないというのが、ものすごくジレンマあったんです。だから、事務仕事だけに追われてたら、無理だなと思いDXに取り掛かったんですよね。自分じゃないとできない仕事じゃなくて、それを誰でもできるように簡素化しちゃえばいいよねって。業務でやってる事は変わらないけど、その効率化して余った時間で勉強ができたりだとか、時間の有効活用が目的になります。
——これまでの取り組み内容を教えてください。
脱属人化の取り組みです。私じゃなくても出来る事を増やしました。まずは、それぞれのノウハウを会社に蓄積するような仕組み作りに取り掛かりました。その為に、Googleのワークスペースのスプレッドシートを使っています。そのファイルで、何でも完結することができます。ワンクリックで、見積書・請求書・出面などすべての情報が入っていて、全部の情報を集約しました。『迷う、悩む、探す』をゼロにしたことで、新しく入社した事務員への引継ぎもあっという間に終わり、すぐに即戦力に育ってくれます。マニュアルを見なくても、直感的にわかるぐらい簡素化させています。働き始めて、3日目ぐらいから、何か分からないことある?と聞いても、「もういいです」って言われちゃいます。
——どのように効率化を進めましたか?
社長も現場に行って仕事するんですよ。これまでは、終わった後、6時くらいに次の日の指示を従業員に出してたんです。そうすると、早く終わって帰ってきた人達が手持ち無沙汰なんです。指示待ちじゃなくて、スケジュールさえ見れば、明日やる事が分かって、機材の積み替えとかできるよねと思っていて、それで今回全員でGoogleカレンダーを使って、明日の準備をスマホを見れば出来るようにしました。最初はスケジュール管理ソフトを入れようと検討していたのですが、それが200万。操作する人間もいるし、覚えなきゃいけないし、工数が大変になるぞと思って行った。充分ですね、無償でストレスもなくなりました。
——DXにより得られた効果を教えてください。
仕事の取りこぼしがなくなりました。前までは社長が直接対応しないと出来なかったんです。社長も現場に行くから、細かいやり取りって難しかったんですよね。現場で作業をしながらの対応だったので、拾えていなかった仕事も、もしかしたらあったかと思います。現場に行って、それから事務所に帰ってきて、見積書を作成する、これだと本当に仕事に支障が出ていたので、これじゃダメだと思いました。受注までの流れを細分化して、どこまでなら事務員で対応ができるか決めて、その業務を引き取ったんです。11月12月でだいたい35件ぐらい見積もりを作成したのですが、事務員で11件対応しました。今では、見積り対応とか、簡単な打ち合わせぐらいだったら、事務員で対応ができるようになって、新しい仕事をとりこぼさずにできています。業界的に、夏場までの間の仕事をいかに取る事ができるかが大事なんですよね。ただ時間ができただけじゃなくて、分かりやすい仕組み化がされたので、同じクオリティでみんなが仕事できます。今後は、自分の方は、外に出て仕事を取ってくることも増やそうと思っています。
活用したデジタルツールとその効果とは?
【導入アプリ】
● Googleカレンダー
● Outlookアプリ(スマートフォン)
● Instagram
【導入効果】
・カレンダー管理、共有をすることで、仕事の依頼への対応がリアルタイムで行えるようになり、取りこぼしが無くなった。
・それぞれが抱える業務の見直しを行う事ができ、見積書作成を事務員で対応するようになり、新たな仕事や相談に対して、その場で対応する事ができるようになった。また、見積書が作れるようになったことで、閑散期に向けて仕事のストックを社長だけでなく事務員も行えるようになった。
・京都府の企業から新規の問い合わせがあり、実際に打合せも行って、新たな仕事に繋がった。
・InstagramのみならずWEB上で会社名や業務内容で検索したときに出てくるようになった。
・編集した画像を投稿しているため、会社のイメージアップにもつながっている。
サガ・コア&カッター工業株式会社が思い描く未来とは?
——今後の展望
DXをやったことで色んな人に注目してもらったり、事務員もミスがすごく少なくなったんですよね。同時に効率化ができて、私しかできなかった業務を誰でもできるような仕組みに変える事ができました。その時間を使って、新たな仕事を能動的に行う事ができるようになったんです。特にSNSは、車を洗車している時間とか、スマホ一つで思いついた時にできて、会社のPRも行えています。受注競争で競った時 、選ばれる企業になりたい。小さくても当社にしかない価値を積み重ねていって、その先に必ず勝っていく会社になっていきたいと思っています。今後はもっと競争が激しくなると思っているんですね。なので、県内だけの受注じゃなくて、もう少し福岡と熊本など他県にも向いて、新規顧客の開拓と同時に付加価値が付くような設備投資も積極的に行っていきたいと考えています。その差別化をDXを通して、積極的な変化を行っていきながら、愛されて選ばれる企業になっていきたいと考えています。
R4年度アクセラレータ事業受託会社:株式会社フォーバル九州支社