“管理者・現場技術者双方の負荷を軽減したい”
－民間電気保安管理のパイオニアとして－

株式会社アイセルは、そんな思いを抱えていた日本テクノ株式会社のDX促進をお手伝いしました。
現場作業者の負担軽減や管理者の業務改善などを目的にシステム開発を実施。導入後の反応までを事例としてご紹介します。

【開発背景】「手書きの点検報告書」を改善したい。

日本テクノ社の主力事業のひとつである電気保安管理。その現場では「紙に手書きしている点検報告書」が課題となっていました。

　手書きの報告書には、担当者ごとの内容のバラつき・保管作業時の手間・保管場所の確保、さらには必要な時に素早く取り出せないといった改善が必要な点がありました。

　今回、同社では点検精度の向上や合理的な仕組みづくりといった目的のほか、現場技術者の減少や高齢化といった背景もあり、システム化に踏み切られました。

提供ソリューションと開発目的・導入効果

今回は、電気事業者向け　点検業務サービスとして「電気点検簿システム」をご提供いたしました。

開発は、以下の3つを目的として実施。

• 現場技術者の負荷を軽減したい
• 点検状況を素早く確認したい
• 点検精度を向上させたい　

結果として、下記のような効果がみられました。

• 使いやすいUIで記入工数を50％削減
• 点検報告書をリアルタイムで確認できる仕組みを構築
• 入力補助で文字の見にくさ、内容のばらつきを防止

さらに、紙での管理がなくなることによるペーパレス化、省スペース化も実現しました。
詳細をご紹介させていただきます。

アイセルの取り組みとシステム開発

日本テクノ社からの大きな要望として、「現場での入力が楽にできるように配慮してほしい」、「点検実施に漏れのないように工夫してほしい」という2点がありました。

　メインでシステムを使う電気管理技術者の平均年齢はなんと68歳。そのため、高齢でも利用しやすいUIを心掛け、文字サイズ・色・配置などiPadアプリの標準デザインからは逸脱していても見やすさを優先した開発を行いました。

　他にも紙の点検報告書と見た目を変えない画面構成を実現し、作業時の違和感を緩和。すべての画面を拡大表示可能としており、見えなくて困る、といった状況を避けるための工夫を凝らしました。

　打ち合わせを重ねていく中で、書類のペーパレス化、管理業務の低減化などのイメージを合わせていきました。いただいた要望をどのように実現するか、常に複数の選択肢をご提案し、より良いものを選んで作っていけるように、お客様とのコミュニケーションも大切にしました。

現場への導入時にはどのように対応すべき？

いざ導入、という段階では、現場技術者からは、操作性への不安やIT化に対する精神的なハードルから否定的な声が上がることもあります。

　その対応として、今回のシステム導入時には説明会の実施や、電話・メールによるサポート、AIチャットボットを導入するなど、丁寧なフォローを実施されました。現在では1,300名いる技術者のうち8割以上にあたる1,100名に利用されています。「慣れると楽でいい」「思ったより簡単」といった声が多く、社内の他部署からもシステムの機能について問い合わせがくるそうです。

お客様の声

「報告内容のバラつき、文字の読みにくさがなくなり、さらに関係者がリアルタイムで把握できるようになりました。点検報告書の記入工数も50％削減され、効果が目に見えてきています」

今後の展開

保安点検の業界ではデジタルトランスフォーメーションの関心が高まっており、世の中の流れが変わりつつあります。

アイセルは同社のサービス向上を支援するとともに、電気保安におけるDXのみならず、設備点検・工場での検品・オフィスでのペーパレス化など、さまざまな場面でお役に立てるノウハウを活かしたシステムをご提供してまいります。